舌、口腔周囲筋、咀嚼筋、頚部筋活動と呼吸様式は顔と咬合形態を大きく左右する。 上突や下突等の不正咬合を問わず、@過蓋咬合症例では、短顔で咀嚼筋は高活動で臼歯部咬合高径が低い。A前歯部開咬症例では、長顔で咀嚼筋は低活動で臼歯部咬合高径が高い特徴を有している。このような症例の多くで、上顎歯列弓、歯槽弓が狭窄され、舌房の狭小化が惹起され、気道確保のため舌癖、口呼吸が誘発されている。B顔が左右非対称の下顎側方偏位症例では、頚部筋と咀嚼筋活動に著しい左右差が存在し、臼歯部咬合高径に著しい左右差が生じさせられている。特にこのような症例では、頚部筋、ことに胸鎖乳突筋や上部僧帽筋の形態の左右差が存在し、片側が拘縮状態にあり、頭蓋は拘縮側へ傾斜し、頭位の異常、頭部の回旋運動制限等の症状と共に、下顎枝、下顎頭に著しい形態異常が観察される。
このように舌、口腔周囲筋、咀嚼筋、頚部筋、舌骨筋等の機能や形態異常、ゼロ呼吸等が不正咬合を誘発させたり増悪させ、顔と咬合形態を左右させる大きな要因となっている。今回、舌・口腔周囲筋・咀嚼筋および頚部筋活動の正常化と鼻呼吸の確立が、美しい顔と咬合、健康を維持するkey factorsであることを、症例を通じて報告したいと思います。 |